2009年2月アーカイブ

前川國男・自邸@江戸東京たてもの園

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今日は、少し時間が取れたので、久しぶりに小金井にある江戸東京たてもの園に行ってきました。
こちら、歴史的価値の高い建物を移築・保存している施設でして、その中に建築家・前川國男の自邸が保存されています。

早稲田大学芸術学校に入学した年に、たまたま、このたてもの園の近くに引っ越してきました。
近くといっても、歩いて10分ほど。これほど勉強になる実物が近くにあるということで、学生時分にはよく通っていました。この前川國男・自邸をみるために。

やはり、自分の中では、「好きな住宅No.1」ですね。
(もちろん、自分がかかわった物件を除いてですが。自分の子供と芸能人を比べても同じ土俵に上がらないでしょう?)
m06.jpg一つ一つの建具や家具のディテールから、小さい配膳口や玄関の敷板。ロフトの収納と開口部にそれぞれ設置された高さの異なる飾り棚。そういった細かい繊細な配慮と検討の痕跡から、サロン(リビングではない)の大きな開口と天井高さの大胆な空間性と、大屋根の作る力強く男性的なシンメトリーの外観まで。
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僕程度の言葉で説明すると、どんどん陳腐になってしまいそうで怖いのですが・・・。
以前こちらブログにも書いているのですが、一つのテーマとして、「質素だけど贅沢な住宅」。
この原点は、ここから来ているのかなと気づかされました。

例えば一つの例としまして。
敷地の入り口から玄関までのアプローチの部分です。
下の写真では分かりづらいかも知れませんが、この住宅。門はありません。
ちょうど、男性の目線が隠れるくらいの高さに積まれた大谷石で、アプローチの入り口が作られています。
P2200014.JPGP2200012.JPGL字型に組み合わされた二組の大家石の壁ですが、うまく訪問者を誘導しながら、目隠し壁は正面、庭、玄関とシークエンスの変化があります。

ただ、ほんの少しだけ、正面の道路から、建物の室内を通して、反対側の庭まで見通せる部分があります。
ここに気づかないにしても、きっと無意識のうちにスーッと通った視線の中に、住宅の広がりと奥行きが訪問者には感じられるのではないかと思います。
たった、2枚の大家石の壁の効果です。
こういった仕掛けが「質素だけど贅沢」な空間を作る方法の一つなのかも知れません。

他にもいろいろと思うところはあります。
前後間もなく作られた住宅としてはとても贅沢な材料が使われいるらしいのですが、現在から見れば、決して「高い単価」の材料は使われていません。
人が触れる部分では、杉・タイル・漆喰が主な材料です。
それでも、決してチープな感じがしません。
かえって、やさしくて、暖かい感じを受けるのです。ただ「作られて時間が経っているから」だけではないように思います。

そう考えると、最近のメラミン張りの扉や、膜を作るペンキの塗装、張り物のフローリングなど、現在普通に使われている建材が、家が建ってから20年30年経った時でも家の居心地の良さを保つことが出来るのか心配になってしまいます。

話は変わって。
学生時代と違って、今日訪れてみると、やはり見る部分も変わっているようで、一つ発見がありました。(小さなことですが・・・)
P2200085.JPG左は、書斎にある机です。脚の部分に注目下さい。
右の写真はサロンの階段です。一番したの踏み板を支えている脚は、左側の書斎の机の脚と同じ形をしています。
・・・。まぁ、それだけですが。
こういった小さいことの積み重ねが、空間の良さをつくり上げるそうです。
"God is in the detail" です。
そして、階段。重たく感じがちな側桁が最後の一段で浮いています。ムムムッと勉強になりました。

さて、この江戸東京たてもの園がある小金井公園ですが、梅の名所とのこと。
訪問されるなら、今週末あたり、良さそうですよ。
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どうも、更新がご無沙汰してしまいました。
気がつけば、前回の記事から1ヶ月以上ですね。「目指せ週刊!」の目標から大きく外れてしまいました・・・。
最近バタバタしてまして。と言うと「よく分からない大人の言い訳」と言われてしまいそうですが。
それでも、更新を楽しみにしてくださっている方々。どうもすみません。


さて、タイトルの「この不況と言われる時期の中で。」ですが、どうでしょうか?みなさんは「不況」。感じていますか?
僕がいる「建設」という業界は、景気の煽りを受けやすい業界らしく、「マンションの在庫が前年比でどうだ」とか、「新築住宅の着工数がなんだ」とか、そういったニュースが目についてしまいます。

先日、とある地方の工務店さんと話す機会がありまして、今のところ現場数が目に見えて減った感じはないそうです。今動いている現場は、昨年に資金調達ができている物件だからとのこと。(当たり前ですが)
その地方は、製造業に携わっている人が多いそうです。製造業。
工務店さんが心配しているのは、今年の下期から来年あたりだそうです。