2009年9月アーカイブ

01.jpg 店舗内装のデザインをやらせて頂いた、「バンザイ ダイバーズ カフェ(仮)」が完成しました。
大学時代からの友人夫婦が経営するカフェで、千葉県の勝浦市にあります。
お近くに行った時には、是非お立ち寄り下さい。
奥様がダイビングショップのインストラクターをしながら、ご主人がカフェの切り盛りをしています。
詳しくは、こちらのバンザイダイバーズのホームページをご覧下さい。

02.jpgもともとの店舗は、お寿司屋さんでした。1階がカウンターのみの客席と厨房、2階が座敷だったのですが、「アメリカンバー」をコンセプトに、随分と様変わりしました。カウンターと一体になった壁のフローリング材と、ガルバニウム鋼板で作った大きなレンジフードとキッチンパネルが特徴です。

2階のフロアからの眺めは、千葉の太平洋を一望できる、絶好のロケーションです。
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↓こちらが、2階から見える、お店の前面に広がる「太平洋」です。大きい風景です。
banzai (1).JPGともかく、中村家ご夫妻。おめでとうございます。
これからお互い若い事業主同士、頑張って行きましょう!お手伝いできて、本当に嬉しかったよ。ありがとう!





西箕輪・H邸 上棟!

先週の事ですが。
設計をさせて頂いた、西箕輪・H邸の棟上に行って来ました。

当日は、とても天気が良く、お施主様のHさんもお仕事をお休みして、タープ+アウトドアセットで上棟作業を見学しました。
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上棟は、一日で、ぐっと建物が出来上がる工程です。
そして、家つくりの中では一番ダイナミックで印象的なイベントだと考えています。できるだけ、お施主様には参加・見学していただいて、「家をつくる」思い出にできればと思っています。

前日までに基礎が出来上がっているのですが、基礎だけでは、平面的な大きさでしかありません。
そこで柱が立ち、一番高い梁が上ると、平面ではない、建物のボリュームが現れます。
僕ら建築設計者は、いつもこの「ボリューム」を意識して、設計を行っています。平面計画は、建物の一部を切り取ったものであって、そのものが建物ではないと考えています。
しかし、この「ボリューム」ですが、模型を作っても、パースを書いても、なかなかお施主様には「実感」として伝わりにくいものだと思っています。(もちろん、僕のプレゼン不足を否定するつもりはありませんが・・・。)

さて、建物が上棟してお施主様の感想は
「でかい!」
これは、嬉しかったですね。こちらの読み通りです。

家の持つ空間は、平米数や、nLDKの間取り数だけで判断できるものではありません。
開口部の取り方や、部屋と部屋の関連性。外部からのアプローチとお庭への開き方、眺望と使い勝手。
今回の建物にしても、周辺のロケーションや、予算との兼ね合いの中で、「もっとも最良と思われるバランス」の答えとしての形状だと思っています。
平米数を小さくすることで、より豊かな空間を作ることができたと思っていますが・・・こちらについては工事が進むにつれてより詳しくご紹介していきたいと思います。

さて、当日は大工さんを初め、関連業者のかたとも色々とお話ができました。
皆さん、「使いやすいプランですね」とか「かっこいいねぇ」等々言っていただいて、僕はとても嬉しく思いました。
なにより、Hご夫妻が喜んで頂けていることに「仕事のやりがい」を感じます。
まだまだ現場は続きますが、楽しみです。

DSCN6889.JPG ↑さて、これは何でしょう?サイズは、1m×1mくらいです。
こうやって草原においてあると、何かのオブジェのようですが・・・。答えは、またいつか。
当日の設置には至りませんでしたが、かなり早い段階で工事を行います。

DSCN6910.JPG夕方が近づいて、一番高い部分の梁が上がりました。
Hさん、上棟おめでとうございます。



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今日は、久しぶりに都心を散策しました。
六本木から青山霊園を通り、外苑前のワタリウム美術館で、「ルイスバラガン邸を訪ねる」展に行き、またそこから新宿まで歩いて、ルイスバラガン邸の本をコクーンタワーのブックファーストで購入して帰るという、そこそこの距離の散歩です。
上の写真は青山霊園ですが、日中の強い日差しをせけることができて、とても気持ちがいいですね。
後ろを振り向くと、秋の空にそびえる六本木ヒルズ。
CA3B0228.jpg雑貨屋や本屋に寄りながらたどり着いてワタリウム美術館。
初めて行ったのですが、建築家マリオ・ボッタの設計した建物を見るのも初めてでした。
CA3B0232.jpg中央に写る縞々の建物です。思ったよりもコンパクトでした。
他に感想は・・・難しいですね。展示の内容も・・・難しいですね。
きっと、バラガン邸が大好きで詳しい方だと楽しみ方も違っていたのかも知れません。
バラガン邸の寝室やリビングなどの内装が再現されていて、家具や装飾品、スレンテス(?)の鏡玉(←うまく表現できませんが・・・)が室内をどのように写して、どういった効果を持っているかということは、新しい発見でした。
素直に感じたことと言えば、キューピーのマヨネーズのCMで印象的な「ピンクの壁」
あの壁に近い色なのかな?独特の色彩も再現されていたのですが、決して室内において派手ではなく、落ち着いた印象を持ちました。メキシコの気候と日差しだからこそと思っていたのですが・・・。
自分が内装設計を行うときには使い切る自信はありませんが、選択肢として体現できたことはよい経験でした。

さて。
ワタリウム美術館でルイス・バラガンの写真集を買おうかと思ったのですが、どうもまだ歩き足りない。時間もある。どうせなら新宿まで歩いて、重たい本はそちらで購入して帰ろうと、コクーンタワーを目指しました。

それにしても、この「コクーンタワー」初めて新宿で見たときは驚きました。
この角度で見ると、そのまま飛んでいきそうです。
CA3B0233.jpg北京オリンピックの時の「鳥の巣」のような、ガラスと鉄が絡み合ったファサード。高層ビルといえば「重たく・しっかり・垂直に」と言ったイメージですが・・・
以前、銀座の近くで見たこちらのビルも、上に向かってギューッとひねられていて、なんとも不思議な感じです。
CA3B0129.jpg「何かおかしい」
こうやって、新しい風景が作られていくのでしょうね。
そういえば、「鳥の巣」。帰ってから知ったのですが、六本木の森美術館で、芸術顧問を行った「アイ・ウェイウェイ」と言う方の展覧会も開催されていたようで、こちらも興味深々です。楽しそうで。



アスベスト(石綿)について/建築定期講習会

「建築士定期講習」を受講してきました。
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平成18年の建築基準法と建築士法の改正により始まった、建築士が3年に1度受講しなければならない定期法定講習です。
この講習により、建築士と建築士事務所の法的な位置づけと義務、権利等々、「なんとなく」が「スッキリ」しました。設計事務所の管理建築士としてやらなければならないことや、取り揃えるべき書類など、建築士にかかわる全般に渡っての講習会です。
内容は、構造計算書の偽装問題から、建築士・基準法の法改正について、アスベストから回転扉や環境配慮まで、広く浅く、丸一日メモを取りながら真剣に話を聞きました。
もちろん、僕の専門でないところもありますが、知識として興味深かったですね。
修了考査というテストがあるから。それに落ちると、また3ヶ月も前に予約して15,000の出費は痛い。ビックサイトもなかなか遠い。

例えば、「アスベスト」
「耐火性能が高い、安価なガラス繊維質の材料。だけど体に悪い。」
くらいにしか思っていなかったのですが、その性質を聞くと、ただ疾病の例を並べられるよりもリアリティがあります。
アスベスト(石綿)はケイ酸マグネシウムなどの仲間(←ここら辺はあやふやです。僕の認識も遠からず近からず)で
 「髪の毛の1/5000と細く、煙草の煙の粒子と同じサイズ ~~~ 足で1回踏みつけると、1本が1/200にまで細かくなる。机の高さから離すと床に着地するまでに5時間もかかる」(建築士定期講習テキストより)
昔、誰かが言っていたのですが、「石綿板を棒状に割って、チャンバラしてよく遊んだ」と言っていたのですが、何だかとても体に悪そうな遊びですね。
この「極細繊維」が肺に入ると「じん肺」に。繊維の物理的刺激により(繊維が肺胞にチクチク刺さるイメージ)と「肺がん」に。肺の周辺の組織がガン化する場合は「悪性中皮種」。
発病する場合は、実際にその建物の住人ではなく、製品を作っていたメーカーの従業員や工場の近所の住民らしいのです。
当時はもてはやされた「新素材」です。しかも悪性中皮種の潜伏期間は20~50年ととても長く、すぐに害が目に見えにくい材料です。
今日も毎日開発されて、世に出てくる「新素材」ですが、こういった例を見るととても怖いですね。
怖がっているばかりでは、いけない事はわかるのですが、長く住み続ける「家」ですから、「新素材」に飛びつくのではなく、よくよく材料も吟味して、「作るまでに時間をかけることも必要だろう」と思います。

さて、講習は全部で4講義があり、最後の講師が、早稲田大学芸術学校で教わったゴウ総合計画株式会社の後藤先生でした。
当時は、他の先生と共同で行う実習の講座だったので、あまり生徒の前で話をされる機会はなかったのですが、頻繁に たまにメインの先生が講義に遅れたときに話をしてくださる前川國男やル・コルビジュエの建築の講義は、ユーモアのあふれ、笑いを誘いながら分かりやすい講義でした。
今回の講習会は、他の講師の方は行政側の方々で、その講義は「分かりやすくて・丁寧」だったのですが、後藤先生の講義は、頻繁に笑い声が会場に聞かれました。

最後に、建築関係の方でこれから講習会を受講する方へ、修了考査についてです。
問題は、全てテキストの文章と同じです。その正誤問題です。
一級建築士で60%正解で合格との事。
「テキストのどこに何が書いてあるか」が大切です。
僕の場合ですが、用語を微妙に変わっている問題が多く、「特定行政庁・大臣・知事」が入れ替えてあったり、数字の単位が違ったりと、テキストで確認しないと不安になります。
「僕の場合」と書きましたが、問題は数種類あり、近くの席で重複しないそうです。





今年の夏休みは、随分前から気になっていた、越後妻有トリエンナーレに行ってきました。
(エチゴツマリと読みます。越後妻有トリエンナーレの詳細は、こちらの公式サイトをご覧下さい)
DSCN6605.JPG(↑まつだい駅からの眺めです。手前は草間彌生のオブジェ。彼女の中で一番のお気に入りとのこと。奥の棚田には黄色や水色の人型がたち、丘の頂上には小さいお城が。なんとも不思議な風景です。このお城。内部はキンピカです。)
1泊3日と言うなかなかの強行日程でしたが、丸2日間の滞在期間で、どうでしょう?多分半分も見て回れなかったかもしれません。
「芸術」というと、「むつかしい」「堅苦しい」と言われる人もいます。巨大なウンチクの望遠鏡で崇高な魂を覗き見る方法もありますが、今回の旅行。とにかく楽しくて刺激的でした。
現代美術だ、シュルレアリスムだ、ポップアートだと考えるまでもなく、この時代の背景はどうだ、何を訴えているのか?だの、作者のほかの作品との流れは?なんて全く気にする事もありません。(本当に沢山の作品があってそれどころではありません)
とにかく、いろいろ見ながら、関心したり、笑わされたり、驚かされたり、さびしく感じたりと、とにかく刺激的な2日間でした。
これだけ、「作品」を連続して見続ける機会は初めてだったのですが、これは「好き」、こういうのは「興味なし」と、なんとなくですが、自分の中で作品を見る判断基準を作る訓練になったようにも思います。

さて、建築家の吉村順三は、「写真で建築は伝わらない」と仰っていましたが、いざ写真を載せようと思うと、現場で感じた感情は表現できませんね。僕の写真の腕は別として。

DSCN6604.JPGまつだい駅近くの看板です。上の絵は何だろう?これもアート?もののけ姫の「もののけ」のよう。

DSCN6622.JPGマダル・ラル/平和の庭。蓮の花や蕾らしいけど、奥深い山の中に産み落とされたエイリアンの卵みたい

DSCN6784.JPG↑行武治美/再構築。空屋の壁に小さい鏡が一面に貼り付けられています。これぞ、「透明な建築」「浮遊する屋根」(笑)
最近お気に入りの女優さん(?)のKIKIさんが写った7月号のオズマガジンの表紙で見て、是非行こうと。
↓内部も一面鏡。全部違う形の鏡(作者が自分でシェイプしたとのこと)で、裏面をバネで固定されています。風が吹くと風景がさわさわとゆれて、なんとも心地よい。
DSCN6789.JPGこういった、地域の空屋を活用した作品も多くて、建物全体に手を加えてあったり、内部に作品を作ったり、作品を飾るだけであったりと、空屋の活用方法も興味深いものがありました。
地域の空屋を資産として活用している方法のひとつとして。
事業体で買い取っていたり、期間中だけ賃貸している物もあるとのこと
新建築住宅特集 2006年10月号参照

DSCN6798.JPG↑間仕切りを取り払われた室内に多数の線が。空間の感じ方が新鮮。べんがらで仕上げられた梁・柱・床が美しく、肌さわりも良い

DSCN6740.JPG↑クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン/最後の教室
地域の廃校になった学校が作品(美術館)になっているものも多く(廃校が多いことも驚きました)
これは、光と音で人(生徒)のいる学校を表現しているとのこと。そう言われると学校特有のざわめきを感じるのだけど・・・写真ではむつかしいですね。

CA3B0197.jpg山崎龍一/Culture bound syndrome
この表情がなんとも。テーマは「引きこもり」。ノートには「かえりたい」
後ろの席は空席だけど、教室の片隅で↓ 「いじめカッコ悪い!!」
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DSCN6634.JPGもちろん、新しい建物もあって、こちらはMVRDV設計の"まつだい雪国農耕文化村センター「農舞台」"
総工費は11億円。(近所のコンビにのおじさんが言ってました)
僕が早稲田大学芸術学校の学生だった頃、ちょうど発売された「a+u」の臨時増刊号でMVRDVが特集され、この建物が掲載されていました。そして3年生のときに、MVRDVに在籍されていた吉村 靖孝先生の講義もあり興味はあったのですが、やっと現物をみることが出来ました。
しかし、メンテナンスが悪く、建物下のピロティには建物内に収まらない色々なものが散乱し、あまり良い状態ではありませんでした。
ここを訪れたときは、是非トイレに行ってください。思わず「クスッ」としてしまいます。公共建築ではありえません。

DSCN6720.JPG↑そして、こちらは手塚貴晴+手塚由比設計の"「森の学校」 キョロロ"
農舞台のメンテナンスの悪さ(いたるところで外部のペンキが剥がれている等)の問題を一気に解決する、コールテン鋼仕上げ。
緑の背景に、錆びた鉄の表情がとても自然に溶け込んでいて、暖かくもしっかりと守られている印象を受けました。きっと、雪に半ば埋もれた状態が一番キレイなんじゃないかと思う建物でした。

さて、最後の写真は藤原吉志子の「レイチェル・カーソンに捧ぐ~4つの小さな物語」という作品です。
今回見た中で、一番ストレートで強烈なメッセージを持った作品でした。納得です。
CA3B0204.jpg『とても勤勉で頑張り屋なウサギの「二宮金次郎」の読む本からは汚染や環境、緑、自然といった「文字」がこぼれ落ちています。そして背中のマキには車やビルなどが混ざっています。
彼が二宮尊徳となったとき、どんな世界を作るのでしょうか?』・・・と。けっして二宮尊徳とは作品に書かれていませんが。

さて、次回の芸術祭は同じ新潟で開催される「水と土の芸術祭」に行って来たいと思います。
先日、設計事務所のオンデザイン主催のワークショップに参加させてもらい、左官職人の久住有生さんとお会いする機会がありました。この芸術祭に出品されている作品のこともいろいろと教えていただきました。楽しみです。