2009年11月アーカイブ

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藤本壮介さんのセミナーから、そのまま六本木に移り、オンデザインの西田さんにお誘い頂いた、『ゴカマチイエプロジェクト』という活動のワークショップに参加して来ました。

場所は西田さんが設計されたレストラン、『六本木農園』です。
こちらのレストラン、内装は有名な佐官職人である久住さんが手掛けたもので、大変有機的で独特の雰囲気を作りだしています。今年の夏、この内装の佐官作業に参加させて頂いて、一部僕の作業も入っています。ですので、ちょっと愛着がありますね。
久住さんの作品ですが、現在新潟で開催されている、『水と土の芸術祭』という芸術祭で見ることが出来ます。
その節は、丁寧に『佐官』のお話しをして下さって、お世話になりました。
佐官という技術について、今までの感覚とは違う、アーティスティックで自由な表現を感じることが出来ました。ありがとうございます。

話が逸れました。
ワークショップの内容について、詳しくは省かせて頂きますが、建築手法を用いた地域参加について模索していくワークショップで、これからも継続して行っていくとの事。これからが楽しみな活動です。

当日は、前半を株式会社umari代表取締役プロジェクトデザイナーの古田秘馬さんがその活動を中心にした住民参加の街づくりについてのお話があり、後半は、実際のゴカマチイエプロジェクトの説明と参加者によるディスカッションがありました。
ゴカマチイエプロジェクトについては、これから具体的になり、僕が参加出来たときに、またここでご紹介できたらと思います。

さて、プロジェクトデザイナーの古田さんのお話ですが。
以前、J-WAVEの番組で、八ヶ岳で行っている「日本一の朝プロジェクト」について聴いたことがあり、とても印象に残っていたのですが、ご本人に直接お話しが聞けるとあって、とても興味がありました。

感想としては、「とても面白い」の一言です。
話の内容にも、古田さんという人間にも引き込まれていって、眼が離せない。内容をメモに取ろうと思うのだけど、メモを取っている時間ももったいない。そんな話でした。
忘れないように、当日のお話の概要を書いて置きたいと思います。
箇条書きにすると、とても堅苦しく感じるのですが、実際はとても楽しい語り口でした。
参加者も20人くらいと少人数でしたから、古田さんが一人一人に質問を行いながら、「プロは違うなぁ」と関心して聞いていました。
印象としては、
・笑顔が大きい
・腰が低い(自分を笑いのネタに出来る。しかも卑屈じゃない)
・人を参加させる
といった点です。僕も今後プレゼンテーションの時には見習いたいと・・・。


1.『まちづくり』について
 ・まちの「活性化」とまちの「魅力」は異なる
 ・まちの「作り手」と「受け手」の間で、共通の言葉がない

2.コンセプトとアイディアについて
 ・コンセプト=意味付け
 ・アイディア=仕掛け
    ハード(条件)×アイディア/コンセプト
 ・コンセプトとは、日常に基く物であって、日常を読み解いてくと、その人の哲学となる
    →"目的の本質に近づく"
 ・アイディアは、分解して、掛け合わせて、固定しない。

3.文化や賑わいとは
    ハードウェア×ソフトウェア/コンセプト
 ・どちらにしてもコンセプトが大切
 ・ちょっとプロジェクトが上手くいって、拡大したときに、コンセプトがぶれるから、大体、大きくしすぎて失敗するまちづくりの例が多い。

4."D30"について("価値のパラダイムシフト")
 ・『デブで体脂肪30パーセント以上の人のサイト』とのこと。「太った人のライフスタイルマガジン」
 ・「最近、太った人に風当たりが強くなって、デブが生きづらい世の中になった。こっちは楽しんで太っているのだから、デブを応援するサイトを作る」がコンセプトで、そのサイト。一見「そんなアホな」と思いながらも、作っている人が真剣なのだから、真剣な上に面白いです。
 話は、ここから「価値のパラダイムシフト」の話になって行きます。
 「僕たちデブは、お礼に1万円くらいのいい肉をもらうと、とても興奮するんですね。現金で1万円を報酬でもらうよりも、10万円くらいの価値があるわけです。これが価値のパラダイムシフトです」
 ・・・なんだか納得です(笑)

5.ネーミングについて
 ・ネーミングは、『ユーモア』 『ファンタジー』 『センス』が命。
 例: ~農業実験レストラン~ 六本木農園
    左脳:コンセプト 『農業実験レストラン』/キャッチコピー
    右脳:テイスト、雰囲気 『六本木農園』/プロジェクトタイトル
  ・・・うちの設計事務所も、まずはネーミングを考えないといけません。

6.その他いろいろ。
 ・アフリカのある地方の雨乞いは100%必ず雨が降る。なぜなら雨が降るまで雨乞いをするから。(3日(3ヶ月も4ヶ月も踊り続けるそうです)  →つまり、失敗したプロジェクトはない
 ・「誰に対して??」を明確にする
 ・身近な相手の『点』をつなげる → モチベート
 ・頭が勝手に『不満』を作る → 視点を変える仕事
 ・10件のうち、7件の依頼は「やらなくてイイ」と言って「やらない」
 ・法律を作ると言う仕事は、最もクリエイティブな仕事
 ・ブランドとは、共通の企画の上に『思い』を乗せる

以上です。ゴカマチイエプロジェクトについては、また後日ご報告いたします。
このワークショップの後、六本木農園のフロアに移り、立食の懇談会に参加しました。
おいしい料理と、いろいろな分野の専門の方のお話を聴けて、大満足の一日でした。
お誘いくださった、西田さん、運営をなさっている皆様、ありがとうございました。
次回のワークショップも楽しみにしています。



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(※上の写真はIwan Baanyよりお借りしました。とても綺麗な建築写真のサイトでお勧めです)

建築家『藤本壮介』さんの講演会に行ってきました。
主催は、「ニチハ株式会社」という主に外壁材を扱うメーカーさんです。
藤本壮介さんは、若手の建築家の中でも特異な存在で、視覚的にも不思議な住宅を多数手がけています。
詳しくは、こちらの藤本壮介建築設計事務所のホームページを参照下さい。

僕の予想ですが、建築家の方の講演会って、前半にその人の建築についての思想・考えが語られて、後半は実作の解説になることが多いと感じています。(建築家に係らないのかも知れませんが・・・)
なので、せっかくの講演会ならば、前半を聞いて置きたいと思うのですが当日は仕事の都合で後半から参加しました。(失礼なことですが。バックヤードから入らせてもらいました。関係者の皆様、すみません)

さて。講演の内容です。
キーワードとして、『森』と言う言葉が何度も出てきました。
藤本さんの考えでは、「森は、自分で場所を発見するフィールドであり、空間の経験、変化、多様性をもたらす」と言うことでした。
ちょうど先日まで渓流調査で3週間、森の中に篭っていましたので、森が住宅になる過程を聞きながら、「あの不思議な住宅の形はこんな風にできていったのかぁ」などと、楽しませて貰いました。
代表作のHouse"N"や、"sumikaプロジェクト"を事例に出しながらのお話しだったのですが、やはり、雑誌や本などの2次元のメディアをとおしてではなく、ご本人の口から語られる話は生々しくも、魅力的で面白い講演会でした。
間に合わないからあきらめようか・・・と思いながら青山に向かいましたが、参加して良かったと思います。

それから、最近講演会で楽しみなのが、最後の「質疑応答」ですね。
やはり、メディアに出ないような事が質問されて、語られて、僕も設計者の端くれですから、共感したり、お客様への説得方法など、人間味あふれる話は、もしかしたら一番勉強になることなのかも知れません。

その中でメモ的に一つ。(藤本さんの語り口はもっと丁寧ですが)
『自分が作っているものは、奇を手等って変な形になるのではありません。
 プログラムに沿って作られた形です。
 そして、建主に無理強いはしません。
 変な形を提案して、「面白い」と共感してくれたものが形になります』
藤本さんは、そのプレゼンテーションの中で、『楽しいイメージ』を大切にしていました。
それは、「豊かで人間らしい生活の提案」と「居心地が良いこと」そして、「関係の変化」を上げていました。




西箕輪・H邸 屋根ができました。

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前回の現場確認から、1ヶ月近く経ってしまいました。
工務店さんの都合でその間工事が止まっていたのですが、無事に再開し、屋根が出来上がったので現場に行ってきました。

前の記事で写真を載せた、銀色の物体は、屋根の中央にある銀色のもの。薪ストーブの煙突でした。
既存のイメージですが、薪ストーブの煙突と言うと、『クロ』ではないでしょうか?
しかし、この銀色は、ステンレスそのままの地色です。
クロの塗装を行うと、熱や雨風によって劣化してしまいます。熱によるので、普通の塗装よりも早く劣化してしまいます。
そのため、今回は薪ストーブ屋さんの提案により、今後のメンテナンスを踏まえたうえで、この色となりました。
屋根材は軽い上に施工性がよく、何より耐候性能の高いガルバニウム鋼鈑としましたが、これで煙突の耐候性能も安心です。 
敷地の周りにも境界の杭が立って、この住宅。その庭の広さもお分かりいただけるでしょうか?

CA3B0172.JPGそして、敷地の裏側に向かうと、既に薪が集められていました。
竣工は来年の2月頭です。

薪ストーブに火を入れて、大きなデッキ越しにアルプスを眺めながらのリビング。
とても楽しみですね。