2010年9月アーカイブ

設計は難しい。でも、楽しい。~業務閑話~

ある日の一日の事です。

朝から、料理をしています。
作る料理はポトフ。
ウィンナーの代わりに手羽先肉を使いました。
なんだか、「骨の付いた肉」を煮込むと、とても美味しい気がするんですね。
きっと、ラーメン屋さんの出汁のイメージでしょうか。豚肉よりも一人ご飯のためだから、体にもいいように思ってしまいます。
家ではなるべく野菜を食べて、外では美味しいお肉をたくさん食べるようにしています。
これも、自分のための料理ですから。しっかりアクをとって、黄金色のポトフではありません。多少にごっていても、美味しければいいのです。
初め材料を並べたときは普通のカレーのつもりだったのですが、4日からカンボジアとタイに旅行に行ってきます。向こうの料理は大体カレーであることを聞いていたので、急遽ポトフになりました。

今日からまたしばらく寒くなるだろうから・・・・。きっと体が暖まるでしょう。
しばらく煮込んで、火を止めておきます。
「煮物は冷まして味を仕上げる」
どこかで聞いた言葉ですが。
夕方から夜まで今日はリフォームセミナーがあるので、きっと帰るころにはよく味がしみていることでしょう。楽しみです。

私は自宅兼仕事場にしていますので、今日の仕事場はブーケガルにのいい匂いが満ちています。
お腹は空いていないけど、なんだか幸せな気持ちになります。
ポトフの用意をしながら、にんじんとたまねぎでサラダを作って簡単な朝食にしたので。

弱火で煮込みながら、今お話しを頂いているリフォームのプランを考えています。
大きな規模のリフォームですが、新築とは違った難しさを感じます。
もちろん、もともとの建物があります。これは大きなフレームワークです。
そして、構造の制限があって(もちろん構造も殆どを変えることが出来ますが、そこには予算という大きな闇のカーテンがかかっています)
そのなかでお客様のご要望と、僕自身が見つけた設計の手がかりを組み合わせて・・・気がつけば何十ものパターンを作っています。
小さなスケッチでもひとつづつナンバーをつけていかないと、こちらも混乱してしまうくらいです。
お客様にご提示するのは、出来ればその中から多くて3プランにしたいと思っていますので、ブラッシュアップにも一苦労です。
ご提示するプランが出来上がるころには、「もう、これしかない!」って思えるのですが、まだまだその段階には来ていません。

伊礼 智という住宅作家の大家の先生が著書でこんなことを書かれています。
「『設計は整理すること』です。設計者はクライアントの迷いに満ちた要望を整理し、迷路に陥ることなく、その中から砂金を探すように、自分のエネ ルギーをかけるべき設計の手がかりを見つけるのです。そして、それがクライアントの言葉に出来なかった共感につながれば・・・」
お施主様も設計者もみんなが満足できる住宅が作れるということだそうです。
僕にはこういう表現で言葉にすることは出来ませんが、なんて的確な表現なんだろうと関心させられます。

今回のお客様は、僕の両親よりほんの少しお若い年齢のご夫婦です。
いくら僕が建築設計の世界で専門家(といってもまだまだ若輩者ですが)としてお仕事をしていても、住宅という中で生活をしてこられたお客様方は、「生活の大先輩」です。
お話しをしている中でもいろいろと勉強になることが多く、今回打合せをして、プランを作成しているだけでも、僕の中では少しづつでも「成長」というものを感じています。
じっくりと話し合いを続けて、ゆっくりとですが、いい住宅が出来るように努力していきたいと思います。

僕でさえ、今住んでいるアパートで、「ここがもうちょっとこうだったら便利なのに」と思うことがたくさんありますから。お客様の不便と感じる部分は全てこれからの設計に気をつけるべき部分なのだなと思っています。

さて、今回のお話。形になるかはまだわかりませんが、僕はやはり住宅の設計という仕事が好きです。先ほどの伊礼さんの言葉ですが、
『設計は難しい。でも、楽しい』
これほど正しい表現はありませんね。

・・・・鍋が少し噴いて来ましたので、続きはまたいつか。

キッチンリフォームO様邸 竣工写真撮影

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本日は、以前キッチンリフォームの設計をさせて頂いたO様邸の竣工写真撮影に伺ってきました。
今回は、プロのカメラマンを同行し、本格的な写真撮影です。
カメラマンは、早稲田大学芸術学校の同期である『ame Lab』の橋本氏です。
写真の完成はこれからですが、真剣な表情で部屋の中をくまなく撮影する姿は、やはり、プロだなと感心しながらも、少しだけ撮影されたものを見たのですが・・・やはり僕らのような素人とは違う映像がそこにはありました。
この後、細かい処理(ホコリを取り除いたり、明るさを調整したり、昔で言うところの現像処理だそうです)を行ってからの納品となるのですが、今から楽しみです。
写真が納品されたら、またこちらでご紹介したいと思います。

さて、いつも美しく住まわれているO様ですが、今日は一つ気になるものがありました。
それはこちらの綺麗なお花です。お花の名前は「クルクマ」というのですが、一体なにの花かわかりますか?ほとんどの皆さんがなじみのある植物です。
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これ、「ウコン」のお花なんですね。カレーや、飲みすぎでお世話になる「ウコン」です。
僕は知らなかったのですが、こんなに綺麗な花を咲かせるんですね。(農学部出身としておはずかしい)
こういった、お花を自然にお部屋に飾られるお施主様の感性と習慣。お部屋作りをお手伝いさせていただいた自分としては、とても嬉しく思います。

O様、本日はお忙しいところお時間を頂き、ありがとうございました。
そして、コーヒーと、イチジクのコンポート。大変美味しかったです。ご馳走様でした。
ありがとうございました。




白山の家

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一昨年の年末から設計に携わっていた『白山の家』の竣工写真が出来上がりました。
今回の設計は、株式会社リモデルとの共同設計という形でのお仕事でした。
本物件は、コンクリート造4階建ての個人住宅ですが、これだけの規模と、ハイソサエティな物件を設計した経験がなく、株式会社リモデルの志津田社長には、設計だけでなく、仕事への取り組み方、現場の管理の方法、コンクリートの打ち方まで、手取り足取り、本当にたくさんの事を学ばせて頂きました。
志津田社長は僕の父親に近いくらいの年齢の方ですが、本当によく怒られました。
今までの一生分くらい怒られましたが・・・今思えば、その一つ一つが、僕の自信と経験に大きな一歩となりました。
志津田社長、いろいろとお手を煩わせてご迷惑をお掛けしたことと思いますが、こういった機会を下さり、ありがとうございました。
そして、お施主様。竣工おめでとうございます。

ここで、少しだけ建物の写真をご紹介します。
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上の写真は、主寝室の写真です。
天井を木貼りとして、ヘッドボードをしつらえ、やわらかく落ち着いた雰囲気の部屋となっています。

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上の写真は玄関です。
外壁から連続するタイル壁と、ウォルナットの木のイメージが硬質ながらも高級感を持ちながら、家としての厳格さを感じさせます。

最後に、下の写真は、メインリビングの写真です。
ポーゲンポールのオーダーキッチンとマッチした造作家具にはエアコンが組み込まれています。
レッドシダー貼りの壁がキッチンとリビングを視覚的に別けながら、部屋の中にアクセントを与えています。
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西箕輪・H邸 再訪

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今回のシルバーウィーク、スギタデザインが設計をさせて頂いた西箕輪・H邸に大学時代の友人たちと遊びに行ってきました。

竣工時にはまだ作っていなかった大きなデッキが完成し、約100坪!のお庭の半分には芝生が植えられ、奥様力作のイングリッシュガーデンが完成していました。
僕が描いたH様の家と生活が一通り完成しているように感じ、今回は感慨深い訪問となりました。

やはり、家は出来上がって完成ではなく、お施主様が住むことによって成長していくと感じました。

遊びに行ったのは全部で4家族。まだ3才未満の子供たちが全部で5人。
家の中もお庭も走り回って、子供たちは大騒ぎでしたが、それだけの子供と大人が集まってもみんなが快適に過ごせる家です。
夜は、男性陣はデッキに寝転がって星を見ながらの飲み。女性陣は広いダイニングでゆったりと談笑。

もちろん、周りの環境もありますが、のびのびとして、ゆったりとした時間を過ごすことが出来ました。
H様ご夫妻、ありがとうございました。
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キッチンリフォームのO様邸昼食会

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今日は、今年の5月にキッチンリフォームを行ったO様邸の昼食会に招かれて、訪問してきました。
今回の訪問、竣工後初めてとなったのですが、お施主さまはリフォームを大変気に入っていただけていて、とても嬉しいお言葉を頂きました。

たくさんのお客様が訪れるO様邸ですが、皆様それぞれに褒めてくださるとのことです。
こういったお話を伺えることが、仕事の喜びだと、改めて感じました。

お施主様は大変料理がお上手です。今日のメニューはとても美味しい南インドカレーでした。
また、お話しも面白く、気づけばあっと言う間に夕方でした。
いろいろと、新しいことにどんどんと挑戦なさっているO様とお話ししていると、こちらもとてもエネルギーをいただけます。

O様。お招き頂き、ありがとうございました。
今後とも、どうぞよろしくお願い致します。

RIMG0011.JPG今日のメニュー。えびのカレーです。向こうに見える大鉢や、スープを混ぜながら少しづつ味の変化を楽しむお料理でした。
RIMG0014.JPGそして、コチジャンに漬けたスペアリブ。こちらも絶品です。

RIMG0016.JPG最後は、中国茶を頂きました。食後に頂くと、口からお腹の中までとてもスッキリとします。


一番上の写真は、大河原良子さんという鉄の作家さんの作品です。
今回のリフォームにあわせて、直接現場を見ていただき、オーダーされたものです。
モチーフはギフチョウとのことですが、何ともやわらかく、不思議な雰囲気です。
そして、杉板の壁に映る影が、何とも幻想的です。








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昨日ですが、建築専門雑誌の出版社である、建築知識主宰の
『建築知識学校 「リフォーム設計力」養成講座』
に参加してきました。

先日の記事で書いた「恩師でもあるボスにお会いする機会」とはこの講座の事でして、僕が師事したカガミ建築計画の各務謙司先生が講師をされています。

もう一方の先生は、朝日放送「大改造!!劇的ビフォーアフター」に何度も出演されている建築家、中西ヒロツグ先生でした。

今日は、まだ挨拶と言うか先生方の紹介が主でしたが、実務を通してのリフォームに関する大枠と言うか、心構えみたいなものをお話し下さいました。

講義のあと、先生方を囲んでの飲み会があったのですが。
僕ら実務に係っている人がみんな聞きたがっているであろう、「大改造!!劇的ビフォーアフター」の内情を中西先生伺うことが出来ました。
斜に構えてみている部分があったのですが・・・・・・
偏見と違って「ちゃんとしている!」というのが正直な感想でした。実際、設計事務所が仕事を請けて進める方法とは全く違う方法です。確かに、「なんてことでしょう!」ってお施主様はなるだろうなぁと思います。(ここでは、これ以上は書けませんが・・・)

各務先生は、僕が早稲田大学芸術学校の1年生のときの講師をされていて、先生の講義を聴くのは・・・7年振りでしょうか?
相変わらず、お話は面白く、分かりやすい実例を挙げながら、ユーモア溢れる講義はあっという間に終わってしまいました。
懐かしいなぁと思いながらも、今、自分が実務に携わって実感するのですが、「これだけ人を引き込む話が出来ると言うのは、やはりすごいことだな。」っと思いながら講義を受けていました。
実例の中に、僕が担当させていただいた物件が紹介されていて、こちらもなんがか懐かしく、嬉しくなりました。

さて。
会場となったのは、池袋にある自由学園でした。
やはり、建築知識社主宰らしく、すばらしい会場です。
講義は、これから毎週、10月下旬まで続くのですが、次はもっと早く会場に入って、しっかり見学してこようと思います。
そのレポートはまた次の機会に。



業務再開

随分、こちらのホームページの更新も怠っていました。
いろいろお世話になっている方や友人から
「どうした?生きてるのか?」というお問い合わせも頂きました。
大変ご心配をお掛けして、申し訳ございませんでしたが・・・

本日より、業務を再開します。

個人的な事情で東京を離れていたり、体調不良で入院したりと昨年からいろいろあったのですが、今日から落ち着いて仕事に復帰いたします。

もちろん、その間にもお仕事を頂いて、何件か既に竣工を迎えた物件もあります。
これらについては、また後日こちらのホームページでご紹介いたします。

気づけば、8月でぼくが事務所を開業してまる2年が経ちました。
住宅の設計をいう業務にとって、2年とはそれほど長い時間ではありませんが、思い起こせばどのくらいの仕事をしたのだろう・・・。
物件数にすれば、自分で独立する前に比べ、明らかに少なくはなりました。
しかし、初めから終わりまで、全て自分の責任で一軒の家が出来上がっていくという事は、とても嬉しくて感動的なことだと分かりました。
そして、もちろんですが、責任に伴う苦労も・・・。
勤めていたときはその事務所の所長に守られていたのだと感じます。

明日、ぼくの建築の恩師でもある「ボス」にお会いする機会があります。
そういう感謝の気持ちも込めて、業務再開のご挨拶をしてこようと思います。