2015年6月アーカイブ

船橋のスケルトンリフォーム

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築35年のマンションリフォーム。
素材と設備、工法を徹底的に見直すことで工事費用を抑えながら素敵な空間に仕上がりました。

竣 工 :2015年5月         
所在地 :千葉県船橋市        建築面積:73.66㎡        
用 途 :専用住宅          
構 造 :鉄筋コンクリート造     施 工 :熊谷工務店
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厳密に言えば、スケルトンリフォームとは呼べないかもしれません。
工事費用を抑えるために、既存の上下水配管のみ再利用としました。2年前に、マンション全体で上下水配管の更新工事を行いました。始め、今回のリフォームでは、キッチンを始めとする水周りの位置変更を含むリフォームを計画していましたが、更新したばかりの配管を再度やり直すのはもったいないと考え、水周りの位置については変更を行わず、その他は全部壊して作り直しました。
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また、使用材料についても建材メーカーに交渉し、試作品のフローリングを提供してもらったり、キッチンや、トイレなどの設備機器も機能重視で最も簡素なものを選ぶなど、大幅な工事費用の減額に挑戦しました。
しかしながら、結果的にはお施主様にも満足いただける空間をつくることができました。
フローリングに関しては、桜の無垢フローリングを採用しましたが、メーカーの方が言うには「一般的な住宅ではラスティック感が強すぎて採用されにくい」とのこと。しかしながら、今回の住宅では、お施主様の好みももちろんありますが、家具や扉に負けない主張とラスティック感が逆に落ち着いた高級感を作っていると感じています。ぜひまた使用したいフローリングとなりました。
手前に見える白い台は、キッチン作業台になります。
キッチン側には家電やゴミ箱収納を、ダイニング側にもカウンター収納があります。
天板を大きな人工大理石とすることで、パン捏ねから、そば打ちまでできる大きな作業スペースを確保することできました。
安易に対面キッチンとするよりも、効果は大きいと思います。

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こちらは工事途中の画像ですが、テレビスペースの下地位置を墨出ししています。
鉄筋コンクリート造のマンションでは柱や梁の形が大きく出張ってしまっているケースが多いのですが、梁の出っ張りを利用して、壁掛けテレビ用のスペースを作りました。
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部屋の大きさは数㎡小さくなりますが、部屋はよりスッキリと広く感じることができます。
同じように、廊下でも既存天井は梁型が出て天井が煩雑になっていました。
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こちらの廊下、あえて天井高さを下げるて高さを揃え、加えて照明もダウンライトとすることで、より快適な印象となっています。
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廊下の天井高さは、2.0mですから、一般の住宅としては低くなりますが、扉の高さを合わせることも低さを感じさせない方法の一つです。
廊下が低い分、廊下を抜けた先にあるリビングの広がりと、「家の奥行き」を感じさせる効果もあります。
梁や柱型を溶け込ませることや、家を端から端まで見通せる場所をつくること、部屋の用途によって天井高さを変えることは、数字ではわからない部屋の広がりや大きさ、豊かさを得る大切な方法となります。

リビング横には、お孫さんが遊びに来た時でも家族で泊まれるように和室を設けています。
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P5012477.jpgL字型の4枚引き戸がぴったりと閉まると落ち着いた個室となります。
小さいながらも、季節のものや思い出の品を飾ることができる「床の間」もしつらえました。ほんの少しでも構いませんが、「何か飾ることができる場所」は空間をより良く、魅力的で住まい手の個性を表現させることができます。
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ローコストとはいっても、せっかくのリフォーム、素敵で快適な室内空間のために「木張り」の仕上げを随所に設けました。
工事費用を抑えるためには、「ビニールクロス」に頼らざるを得ませんが、効果的に一部だけでも仕上げを変えるだけでも、上質な空間が作れると考えています。
すべての部屋のドアや引き戸は、「木張り」と同じ樹種の板で作り、一般的なフラッシュ扉よりも重厚な作りとなっています。
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リビング・ダイニングのリビング側の天井も「木張り」としました。
部屋の真ん中に走っている梁の存在感を消すことができなかったため、あえて天井の仕上げを変えることで、梁よりも木張りの天井に意識が向くように操作しています。
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テレビボードの裏板や、お仏壇スペース、和室の一部も木張りとすることで、空間のメリハリを作っています。
木張りや扉が数年経って、経年変化でより落ち着いたツヤやテリが出てくることが楽しみです。天然の本物の材料だけが作ることができる価値だと思っています。
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Pizzeria Cantu

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山梨県・甲斐市
新興住宅地に作られた、石窯ピザのお店。
開放感を大切にしながら、落ち着いた優しいデザインとしました。

竣 工 :2014年7月         
所在地 :山梨県甲斐市                
用 途 :店舗(飲食)             
構 造 :鉄骨造1階建て       店舗面積:102.11㎡
施 工 :家族建設
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もともと喫茶店を営んでいた場所に、ピッツェリアを造る計画でした。
条件としては、
「開放感と居心地の良さ。ずっと座っていたい気持ちのいい空間。しかし、レストランではないから、重厚なイメージではなく。大切なことは動線とガス式のピザ窯。」
でした。
もともと天井高さが4.0mもある空間でしたので、入り口側には、高さの開放感を生かしたジェラードとバーカウンターを作ったカフェスペースとしました。奥に行くに従って、ピザ釜とピザカウンター、トイレスペースで空間に違いを作り、大きな窓のに面した客席スペースまでをんとなくつなぎながら、感覚的にゾーニングできるように配置しました。
上の写真は、カフェスペースです。入り口近くでカウンター席と小さいテーブル席を設けて、明るい色調で、賑やかさを演出しています。
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カフェスペースから奥に向かって、落ち着いた感じの客席スペースがあります。
天井高さを意識的に下げ、壁の色やテクスチャーも明るい色から落ち着いたものに変えて、床の仕上げも軽いフローリングから、しっかりとしたタイルに変更しています。
P1010236.jpg客席スペースからカフェスペースを見た方向です。
入り口側の賑やかさから距離をとって、どの席でも静かな客席になるようにしました。
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今回も、日除けにはバーティカルブラインドを採用しました。
ブランドの造る影の美しさと面白さ。光の入り方と風のコントロール。
カーテン生地の良さもありますが、今のところ店舗と住宅に関わらずバーティカルブラインドを一番にオススメしております。
今回も南向きの強い日差しをコントロールすることで、涼しさと柔らかさを感じさせる窓周りになりました。
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今回Pizzariaのメインとなるピザ釜と大理石のマーブル台です。
写真では、あまり上手に写せず、とても残念なのですが。。。
こちらの白っぽい仕上げは「ガラス洗い出し」です。
耐火ボードでピザ釜とカウンター袖壁を覆い、左官屋さんに白モルタルに5mm前後のガラス粒を混ぜた生地で曲線まで整形してもらいました。
そして洗い出し。
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小さなガラス粒がいろいろな光を反射させて、ピザ釜もマーブル台も輝きます。
本当に写真で伝わらないことが残念です。
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そして、ピザ釜には名前をつける習慣があるのですね。名前入れは、ガラス粒に合わせて、色とりどりのビー玉を使いました。
洗い出し仕上げの出来はとても綺麗です。今回工事をしてくださった左官やさん、ほかの職人さんたちからは、「山梨で1番の左官屋さん」と呼ばれるだけのことはあります。ありがとうございました。

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最後に、細かいところを幾つか。
上の写真は、カフェスペースと客席スペースを分ける、ピザ釜とは逆の位置にある「トイレ・洗面スペース」です。
もともと変形した建物の形に、インパクトのある扇型のスペースです。
壁の仕上げも左官の色を変えて、こちらも計画的にゾーニングしています。
P1010244.jpgP1010246.jpg手洗いや、鏡、床のタイルなども、お店の雰囲気に合わせて選択しました。
水洗やトイレ、洗面器については、空間に合わせつつも、使い勝手とメンテナンス性の良さを考えて選んでいます。
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ドアノブや、照明など、普段私が設計している住宅では使わないようなデザインのものですが、店舗の雰囲気とイメージを造る上では大切な要素となっています。
壁の色や素材の使い方も含めて、住宅と店舗の違いを強く感じるプロジェクトでした。

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お陰様で、お店は連日大賑わいとのこと。
中央道の双葉サービスエリア(スマートインターで出入りができます)の直ぐ近くですので、ぜひお近くのお越しの際はお寄りください。石窯で焼いたピザはとても美味しいです。
よろしくお願いいたします。