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ガーデンリビングのある家

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ガーデンリビングと吹き抜けのある住宅。
道路からの外観と内観に大きな差があります。プライベートと街並みを大切にしました。
家の中には行き止まりがなく、空間が機能的に連続しています。

竣 工 :2015年7月         
所在地 :山梨県甲府市        敷地面積:200.50㎡        
用 途 :専用住宅          建築面積:83.43㎡(1階:67.69㎡/2階:62.49㎡)
構 造 :木造2階建て        延床面積:130.18㎡(39.30坪)
家族構成:夫婦・子供3人       写 真 :藤本 一貴
施 工 :菅沼宝建株式会社


道路側からは、駐車場を3台分取るために十分なセットバック空間を確保し、廻りの環境へ圧迫感を与えないように配慮しました。
物の形は切妻屋根の極めてシンプルな形状とし、装飾的なものや余分な形が表に出て来ないマッシブでミニマルな外観となっています。
ややもすれば、冷たい印象になってしまう形状ですが、壁の薄いグレーベージュの吹き付け仕上げと玄関廻りのざっくりとした木張り仕上げが柔らかな印象を作っています。
玄関へのアプローチは、木張りの外壁に囲まれながら、奥まって少し影になった部分へ引き込むように、お客様をお迎えするように造りました。
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夜の外観は照明により全く違った雰囲気を作ります。
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1日外で働いてきたお父さんや塾や部活で遅くなった子供達を家全体が「待っている」雰囲気を作ります。木の柔らかさと、家の中からもれる暖かい灯がお迎えします。
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玄関は少し奥まっている場所になりますが、光取りの窓を2方向に設けて、十分明るい空間となっています。明かり取りの窓も、ドアの横は天井までの縦に長い窓と、天井高さに合わせて高い位置に設置することで、効率良く光を取り入れています。
外壁の木張りと合わせて、窓や扉の枠、扉も杉材で作ることで、一体的でスッキリとした空間になりました。
玄関たたきは直接「家族の玄関」につながります。「家族の玄関」は家族5人分の靴と、日常的に使うコートや傘、ショッピングバックから子供達のランドセルまで、外とつながるモノをまとめて収納することができます。
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ダイニングとキッチン、リビングはそれぞれ家具や天井の高さの違いによって緩やかにつながり、しかししっかりと空間の違いがわかるように設計されています。
リビングの吹き抜けをより強調するために、ダイニングの天井高さは低めに抑えられています。低めの天井は、決して窮屈な高さではなく、ルイスポールセンのペンダントライトに照らされたテーブルが落ち着いた安心できる、ダイニング空間を作ります。ダイニングテーブルは、長さ2mのナラ材を使用しています。フローリングと同じ木材を使うことで一体感のある空間となっています。

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リビングやダイニングから見える部分の食器・家電収納は、建物全体に使用している木材と揃えることで、家としての一体感を作り出しています。
しかし、キッチン本体については、天板から収納までお手入れを行いやすいステンレス製のキッチンを採用しました。使いやすさとデザイン性に定評がある「Toyoキッチン」です。
ダイニングとの間には、高さ1.2mの造作家具を置くことによって、空間をつなげながら、お客様から手元が見えづらくなるように配慮しています。
キッチンの全面には大きな窓を取ることで、風通しのよい明るいキッチンとしています。
後述しますが、キッチン窓はガーデンリビングとつながる、家の中で一番いい場所となっています。
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_95A6917.jpg吹き抜けのリビングは天井高さまでの大きな窓からつながるガーデンリビングと合わせて、とても開放的な空間となっています。階段から2階廊下につながる手すりを壁と同じ材料で仕上げて、天井もきりっとした平天井にすることで、形状が複雑で煩雑になりやすい吹き抜けをスッキリと仕上げました。

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写真では小さく見えるソファーですが、幅が2m20cm、奥行きが1m6cmと、実際にはとても大きなアイラーセンのソファを置いてあります。まだ小さな子供達とみんなでゆったりと座れます。
ソファの前にはセンターテーブルを置きがちですが、写真のようなサイドテーブルの方が使いやすい場合があります。お部屋の広さは十分センターテーブルを置けるのですが、奥行きの大きなソファの場合、「座った横」のテーブルが使い勝手に優れています。
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1階の玄関廻りからリビング・ダイニング・キッチン、2階の階段から吹き抜けに面する廊下の壁は漆喰の左官仕上げとしています。調湿効果が高いという機能性だけでなく、職人さんの手作業が独特の表情をつくり、室内の雰囲気をより柔らかいものにしています。
ソファの面する壁は、2階天井まで何もない大きな一面の壁となっています。実際住宅においてこれだけ大きな壁を作れることは中々ありません。ぜいたくな壁の左官コテ仕上げを吹き抜け上から刺す光がより深い表情をつくり、一つのインテリアとしての壁を演出します。

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ガーデンリビング側は、道路側とは全く違った表情の家となっています。大きなウッドデッキと、リビングにつながる窓。2階のベランダと木張りの軒天に囲まれた「外のリビング」です。リビングの窓は3枚引違窓として、大きな開口を作ることができます。
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外のベンチ上にある窓は、キッチンの窓です。窓を開けるとガーデンリビングに向かった対面キッチンになります。
夏の日中は子供達がデッキの上でプール遊びをし、夜は(元)焼き鳥職人のご主人主催のバーベキュースペースに変わります。素材を「腕」でカバーする、本物の職人さんです。
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平面図.jpg平面図を見てわかるように、この家には行き止まりがありません。
各部屋で行き止まりになる場所には、必ず窓を設置しました。
このことによって、「数字ではわからない広さ」を確保しています。
写真や図面だけでは伝わりづらいのが残念ですが、部屋と部屋がつながり、動線が上手につながることで、家事の使いやすさだけではなく、家族間のプライベートと家の中でのつながりという相反する性質を両立することができました。
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2階の廊下を端から見ると、各個室が吹き抜けとつながりながら、道路側の正面の窓が外につながり、行き止まり感を無くしています。この方法によって家全体を大きくゆったりと見せています。

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引き戸でつながった洗面脱衣室ですが、洗面台上の高い位置に窓を設置して、明るさと風通しを確保しながら抜ける空間を作っています。
お客様がいらっしゃらない時には、引き戸を開けていることが多いので、造作家具のテイストをリビング・キッチンと統一することで、部屋の連続性を保っています。
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こちらの住宅は、地中熱を利用した特別な空調システムを採用しています。
大変快適な空調システムで、一般的なエアコンはキッチンと主寝室にしか設置しておりません。今年の夏も随分と甲府は暑かったのですが、エアコンは1日しか使わなかったそうです。これから初めての冬を迎えますが、きっと暖かい冬になることでしょう。
空調設備は温度管理だけでなく、空気清浄の機能も持っています。
新築時でしか設置できないシステムですが、詳しくはお問い合わせください。

その他の写真はこちら。
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船橋のスケルトンリフォーム

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築35年のマンションリフォーム。
素材と設備、工法を徹底的に見直すことで工事費用を抑えながら素敵な空間に仕上がりました。

竣 工 :2015年5月         
所在地 :千葉県船橋市        建築面積:73.66㎡        
用 途 :専用住宅          
構 造 :鉄筋コンクリート造     施 工 :熊谷工務店
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厳密に言えば、スケルトンリフォームとは呼べないかもしれません。
工事費用を抑えるために、既存の上下水配管のみ再利用としました。2年前に、マンション全体で上下水配管の更新工事を行いました。始め、今回のリフォームでは、キッチンを始めとする水周りの位置変更を含むリフォームを計画していましたが、更新したばかりの配管を再度やり直すのはもったいないと考え、水周りの位置については変更を行わず、その他は全部壊して作り直しました。
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また、使用材料についても建材メーカーに交渉し、試作品のフローリングを提供してもらったり、キッチンや、トイレなどの設備機器も機能重視で最も簡素なものを選ぶなど、大幅な工事費用の減額に挑戦しました。
しかしながら、結果的にはお施主様にも満足いただける空間をつくることができました。
フローリングに関しては、桜の無垢フローリングを採用しましたが、メーカーの方が言うには「一般的な住宅ではラスティック感が強すぎて採用されにくい」とのこと。しかしながら、今回の住宅では、お施主様の好みももちろんありますが、家具や扉に負けない主張とラスティック感が逆に落ち着いた高級感を作っていると感じています。ぜひまた使用したいフローリングとなりました。
手前に見える白い台は、キッチン作業台になります。
キッチン側には家電やゴミ箱収納を、ダイニング側にもカウンター収納があります。
天板を大きな人工大理石とすることで、パン捏ねから、そば打ちまでできる大きな作業スペースを確保することできました。
安易に対面キッチンとするよりも、効果は大きいと思います。

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こちらは工事途中の画像ですが、テレビスペースの下地位置を墨出ししています。
鉄筋コンクリート造のマンションでは柱や梁の形が大きく出張ってしまっているケースが多いのですが、梁の出っ張りを利用して、壁掛けテレビ用のスペースを作りました。
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部屋の大きさは数㎡小さくなりますが、部屋はよりスッキリと広く感じることができます。
同じように、廊下でも既存天井は梁型が出て天井が煩雑になっていました。
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こちらの廊下、あえて天井高さを下げるて高さを揃え、加えて照明もダウンライトとすることで、より快適な印象となっています。
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廊下の天井高さは、2.0mですから、一般の住宅としては低くなりますが、扉の高さを合わせることも低さを感じさせない方法の一つです。
廊下が低い分、廊下を抜けた先にあるリビングの広がりと、「家の奥行き」を感じさせる効果もあります。
梁や柱型を溶け込ませることや、家を端から端まで見通せる場所をつくること、部屋の用途によって天井高さを変えることは、数字ではわからない部屋の広がりや大きさ、豊かさを得る大切な方法となります。

リビング横には、お孫さんが遊びに来た時でも家族で泊まれるように和室を設けています。
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P5012477.jpgL字型の4枚引き戸がぴったりと閉まると落ち着いた個室となります。
小さいながらも、季節のものや思い出の品を飾ることができる「床の間」もしつらえました。ほんの少しでも構いませんが、「何か飾ることができる場所」は空間をより良く、魅力的で住まい手の個性を表現させることができます。
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ローコストとはいっても、せっかくのリフォーム、素敵で快適な室内空間のために「木張り」の仕上げを随所に設けました。
工事費用を抑えるためには、「ビニールクロス」に頼らざるを得ませんが、効果的に一部だけでも仕上げを変えるだけでも、上質な空間が作れると考えています。
すべての部屋のドアや引き戸は、「木張り」と同じ樹種の板で作り、一般的なフラッシュ扉よりも重厚な作りとなっています。
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リビング・ダイニングのリビング側の天井も「木張り」としました。
部屋の真ん中に走っている梁の存在感を消すことができなかったため、あえて天井の仕上げを変えることで、梁よりも木張りの天井に意識が向くように操作しています。
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テレビボードの裏板や、お仏壇スペース、和室の一部も木張りとすることで、空間のメリハリを作っています。
木張りや扉が数年経って、経年変化でより落ち着いたツヤやテリが出てくることが楽しみです。天然の本物の材料だけが作ることができる価値だと思っています。
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Pizzeria Cantu

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山梨県・甲斐市
新興住宅地に作られた、石窯ピザのお店。
開放感を大切にしながら、落ち着いた優しいデザインとしました。

竣 工 :2014年7月         
所在地 :山梨県甲斐市                
用 途 :店舗(飲食)             
構 造 :鉄骨造1階建て       店舗面積:102.11㎡
施 工 :家族建設
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もともと喫茶店を営んでいた場所に、ピッツェリアを造る計画でした。
条件としては、
「開放感と居心地の良さ。ずっと座っていたい気持ちのいい空間。しかし、レストランではないから、重厚なイメージではなく。大切なことは動線とガス式のピザ窯。」
でした。
もともと天井高さが4.0mもある空間でしたので、入り口側には、高さの開放感を生かしたジェラードとバーカウンターを作ったカフェスペースとしました。奥に行くに従って、ピザ釜とピザカウンター、トイレスペースで空間に違いを作り、大きな窓のに面した客席スペースまでをんとなくつなぎながら、感覚的にゾーニングできるように配置しました。
上の写真は、カフェスペースです。入り口近くでカウンター席と小さいテーブル席を設けて、明るい色調で、賑やかさを演出しています。
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カフェスペースから奥に向かって、落ち着いた感じの客席スペースがあります。
天井高さを意識的に下げ、壁の色やテクスチャーも明るい色から落ち着いたものに変えて、床の仕上げも軽いフローリングから、しっかりとしたタイルに変更しています。
P1010236.jpg客席スペースからカフェスペースを見た方向です。
入り口側の賑やかさから距離をとって、どの席でも静かな客席になるようにしました。
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今回も、日除けにはバーティカルブラインドを採用しました。
ブランドの造る影の美しさと面白さ。光の入り方と風のコントロール。
カーテン生地の良さもありますが、今のところ店舗と住宅に関わらずバーティカルブラインドを一番にオススメしております。
今回も南向きの強い日差しをコントロールすることで、涼しさと柔らかさを感じさせる窓周りになりました。
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今回Pizzariaのメインとなるピザ釜と大理石のマーブル台です。
写真では、あまり上手に写せず、とても残念なのですが。。。
こちらの白っぽい仕上げは「ガラス洗い出し」です。
耐火ボードでピザ釜とカウンター袖壁を覆い、左官屋さんに白モルタルに5mm前後のガラス粒を混ぜた生地で曲線まで整形してもらいました。
そして洗い出し。
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小さなガラス粒がいろいろな光を反射させて、ピザ釜もマーブル台も輝きます。
本当に写真で伝わらないことが残念です。
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そして、ピザ釜には名前をつける習慣があるのですね。名前入れは、ガラス粒に合わせて、色とりどりのビー玉を使いました。
洗い出し仕上げの出来はとても綺麗です。今回工事をしてくださった左官やさん、ほかの職人さんたちからは、「山梨で1番の左官屋さん」と呼ばれるだけのことはあります。ありがとうございました。

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最後に、細かいところを幾つか。
上の写真は、カフェスペースと客席スペースを分ける、ピザ釜とは逆の位置にある「トイレ・洗面スペース」です。
もともと変形した建物の形に、インパクトのある扇型のスペースです。
壁の仕上げも左官の色を変えて、こちらも計画的にゾーニングしています。
P1010244.jpgP1010246.jpg手洗いや、鏡、床のタイルなども、お店の雰囲気に合わせて選択しました。
水洗やトイレ、洗面器については、空間に合わせつつも、使い勝手とメンテナンス性の良さを考えて選んでいます。
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ドアノブや、照明など、普段私が設計している住宅では使わないようなデザインのものですが、店舗の雰囲気とイメージを造る上では大切な要素となっています。
壁の色や素材の使い方も含めて、住宅と店舗の違いを強く感じるプロジェクトでした。

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お陰様で、お店は連日大賑わいとのこと。
中央道の双葉サービスエリア(スマートインターで出入りができます)の直ぐ近くですので、ぜひお近くのお越しの際はお寄りください。石窯で焼いたピザはとても美味しいです。
よろしくお願いいたします。



八王子の二世帯住宅

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家族構成の変化に対応するリフォーム。
一つはスケルトン。もう一つは使い勝手の見直し。

竣 工 :2011年10月         
所在地 :東京都八王子市       建築面積:112.62㎡        
用 途 :専用住宅          延床面積:220.05㎡
構 造 :木造2階建て        
家族構成:夫婦・子供2人 / 夫婦
施 工 :熊谷工務店

築15年の木造二世帯住宅のリフォームを行いました。
今回の二世帯住宅は、完全分離型と呼ばれる、「1棟の建物で玄関も含めて全てが二つ」のタイプです。左右二つに割り振られているため、一般的なテラスハウスとなります。

元々は、祖父母世帯と、子供世帯の二世帯住宅でしたが、祖父母世帯がお亡くなりになり、近所のお住まいでしたお姉さん世帯が住むことになりました。
祖父母世帯の間取りは、古い日本住宅の構成で、北側にキッチン、南向きの一番良い場所に和室があり現在のお施主様の生活スタイルには合わない構成でした。
リフォームを行った内容は、
・外壁サイディングの全交換
・外壁交換に合わせて、断熱性能の向上と構造補強
ご夫婦が引っ越して来る世帯では、
・スケルトン状態からの、全間取り変更
・ピアノレッスンのための防音室
・ご主人のための書斎/書庫
・明るいキッチン
元々お住まいのご家族世帯では、
・内装仕上げのリフォーム
・水回り設備の全更新
・和室をやめて、広いリビング・ダイニングへの更新
・その他、造作家具や洗濯機置き場の変更など使いやすさ重視のリフォーム

以上によって、ほとんど新築住宅のように生まれ変わりました。
既存住宅を調査している中で、梁・柱の構造材料が大変素晴らしいものを使っていたことと、建て替えを行った場合、敷地を2筆に分割する必要があることから、現状の住宅よりも小さくなってしまうため、今回のような全面改修工事を行うこととしました。

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家族世帯の玄関です。
左側には壁一面の玄関収納があり、家族4人分の靴だけでなく、日常使いのコートも収納可能です。扉の1枚を全面鏡にすることで、靴を履いた姿もみることができるようになっています。
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ご夫婦世帯の玄関です。
正面の扉は、「間取りの計画上やってはいけない事項」の一つであるトイレでした。
いろいろな要因や優先順位で仕方がなく玄関近くにトイレを設置する場合もありますが、今回も一番初めに「どうにかしたい」とお施主様がご希望した事項がこちらのトイレです。
リフォーム後は、納戸として、玄関周りで使う靴やコート類などを収納しています。
010.jpg新設されたトイレです。
十分な幅を取って、将来体が思うように動かなくなった際にもお手伝いがしやすいように配慮しています。
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洗面脱衣室です。トイレと同じように将来の介護に対しての配慮を行っています。
洗面化粧台の下はフルオープンとして、車椅子での使用を想定しています。
現在でも、スツールを置いて、座った状態でお化粧ができるように設計しました。

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夫婦世帯のキッチンです。
元々寒々として、家族の集まるリビングから隔離されたような北側にあったキッチンを、リビング・ダイニングへ繋がりつつも、手元を隠せるように計画しています。
キッチンの向きを変えただけですが、南側の大きな窓からの光がキッチン全体に届いていて、とても明るいキッチンとなっています。
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今まで飾る場所に困っていた、ご主人の現代アートを飾るためのステージです。
写真ではわかりづらいのですが、カウンター収納の上の壁のみ左官による漆喰仕上げとしています。
当日は写真を撮るということで、収集なさっているアートの中からわざわざ安藤忠雄のドローイングを飾って下さりました。
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先ほどのカウンター収納の向かい側です。
出窓は、もともと和室だったために、高さ寸法が低く洋室には合わないバランスでしたので、収納を設置し、窓を小さくし、部屋としての調和を作っています。
真ん中の廊下の先に、トイレ・洗面室・浴室と続きます。
将来階段の上り下りが辛くなった際には、1階だけで生活ができるように計画しています。
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ご要望の少ないご主人が最もこだわった書斎です。
4面とも天井高さまでの本棚です。こちらの本棚、少し工夫があり棚板の奥が手前より2mmだけ下がっています。これだけの小さい工夫で、少々の地震があった際にも本が溢れないそうです。某図書館の本棚がこのようになっているそうですが、ご主人に教えてもらい早速採用しました。
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廊下の一部にも本棚を設置しました。筋交いのない、外部に面しない壁には、ちょうど文庫本サイズの本棚が設置できます。天井高さまで全部岩波文庫で埋まっている本棚は圧巻です。

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家族世帯のリビング・ダイニングです。
もともと和室だった部分をダイニングとつなぎ、とても明るい空間となりました。
カーテンボックスや、造作収納の設置により、すっきりとしたリビング・ダイニングとなりました。
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古府中町・S邸

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山梨県甲府市。歴史ある丘陵地に建てられた平屋建ての住宅です。

竣 工 :2014年3月         
所在地 :山梨県甲府市        敷地面積:198.80㎡        
用 途 :専用住宅          建築面積:70.38㎡
構 造 :木造2階建て        延床面積:70.38㎡
家族構成:夫婦・祖母         施 工 :家族建設

計画地は、甲府駅から北へ、武田神社を超えた山裾の土地です。
昔から史跡が多く点在し、景観保護区となっています。

とても恵まれているロケーションと土地の特性を生かすため、南東から北西方向に敷地一杯に建物を広げ、十分な日照と眺望を望めるような建物配置としました。

■配置計画と家の形

周辺の落ち着いて、穏やかな景観に合わせつつも、存在感のある建物形状としました。

長方形のシンプルな大屋根は、建物に落ち着きとシンプルながらも力強いイメージを与えます。

古くから日本の家としての形を継承した切妻屋根とし、しっかりと土地に根ざした平屋建ての上に傘がゆっくりと家を守るように、緩やかな屋根が覆い被さるイメージです。

妻壁部分も屋根と同じ材料で被い、大きな屋根の力強さを意図しました。

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張り出した軒は、南西の開けた眺望からの連続性を分断することなく、ゆっくりと室内空間につなげ、涼やかな室内環境をつくります。傾斜屋根は、甲府盆地から繋がる傾斜をイメージし、周辺の土地形状に逆らうことなく、地域に溶け込むことを目指しました。

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■風通しの良い室内環境

各室は、南西方向に大きな窓を設け、甲府盆地からの風を自然に室内に呼び込み、その風を逃がす窓を北東側にそれぞれ設置することで、風通しの良い計画としています。


■主寝室とお母様の部屋

主寝室とお母様の部屋を家の両端に設置することで、各部屋のプライバシーが守られる計画としています。主寝室とお母様の部屋には3帖の大きなウォークインクローゼットを設置し、納戸としても使える十分な収納スペースを確保しました。主寝室には、幅が約2.6mの造り付けの机を設置し、机下に引き出しや、プリンターなどの電気機器、机の上の吊戸には本棚を設置して、雑多になり易い机周りを整理し易く、シンプルですが、使い易いワークスペースを設けます。


■プライバシーについて

北東側窓はすべて型板ガラスとし、開口を小さくし、南西以外の開口は極力少なくすることでプライバシーを守ります。


■土間空間

玄関横の土間は、屋根が掛かっていることで雨天にも洗濯物を干すことができ、建物に奥まっていることから、周辺からの視線を遮ることが出来ます。また、廊下の窓と洗面脱衣室の窓を開ける事で、自然に風が通ります。

土間の天井部分と軒天を明るい色にすることで、暗くなりがちな廊下も反射光によって明るくなります。

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<平面図>
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内装は白を基調とし、木の優しさが現れるように配慮しました。
家具や扉は加工しやすく、表面の綺麗なシナ材を中心とし、取手や引手、ワークスペースの机材はアクセントとして堅く手触りのよいタモ材を使用しています。
上の写真にある神棚スペースは、古くから神殿・神祭具を作る檜材としています。
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窓枠に合わせて作った玄関収納です。
この収納だけは、濡れた手で触っても汚れを掃除しやすいステンレスの取手を使っています。

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リビングのテレビボードです。
上部にはドア枠と連続した奥行きの浅いカザリ棚を設置しました。
中央の横桟のついた扉は、AV機器やルーターなどの機器をまとめて収納することができます。扉の開閉方法を横滑りにすることで、凹凸がなくスッキリを見せることができます。
こちらの収納面がこのリビングの中心となり、アイストップとなります。画像では分かりづらいのですが、壁面を霧島壁という珪藻土塗りとすることで、存在感を出しています。

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それぞれ、寝室とお母様の部屋から眺めた写真です。
小さな窓に向かって、真っすぐに廊下が伸びています。決して大きな住宅ではないのですが、このように全体を見通す場所を作ると、家はより広く伸びやかに感じることができます。

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寝室は、共働きのご夫婦が最も長い時間を過ごす場所です。
そのため、寝室の壁には上記の霧島壁を採用しました。
調湿効果と消臭効果の機能を持ちながら、独特の風合いがあり落ち着いた寝室となりました。
天井と壁を同じ塗り壁とした場合、取り合いの部分がぼやけてしまいます。そのため、今回は取り合い部分に少しだけ溝を作る事で、シャープなラインを表現しました。

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最後に屋根のディテールについて。
景観保護区のルールの一つに敷地からの離隔距離というものが定められています。
道路に面する部分は、1.5m。隣地の場合は1.2mと普通の住宅地に比べとても大きいものとなります。
その離隔距離を利用して、雨樋を設置しませんでした。隣や道路に雨のしずくが飛散する心配が少ないためです。
地面には、犬走りを設け、その外側には砂利を深く沈め、雨が地面に浸透し建物が汚れないように配慮しています。
雨樋を設けないことにより、屋根の端部がとてもスッキリとシャープになります。
今回は、大きな屋根を表現したかったため、普段、木で作る破風板(屋根の端部です)も屋根材と同じガルバリウム鋼板で囲みました。メンテナンスがあまり必要でないという利点もあります。
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下から見上げたところです。
軒天(天井面)に見える銀色の部分は、通気口となります。
屋根裏には、日射によって暖められた空気が溜まります。その「暑い空気」を逃がすために設置しています。
屋根の一番高い部分にも同じ様な通気口が設けられています。そして、基礎コンクリートと壁の接合部にも通気口があります。
屋根裏で暖められた空気は比重が軽いため、高いところに上がって行きます。
そのとき、基礎上と軒天の通気口から外の空気が吸い込まれます。
この空気の流れによって、壁内部から屋根裏まで空気が循環し、湿気を逃がし、シロアリの被害を防ぎながら暑い夏を少しでも涼しく過ごす事ができます。
本来、昔から日本の住宅に用いられている知恵です。
しかし残念ながら。時々、この壁内通気が取り入れられていない物件を見かけます。もし、住宅を建てるor買うという機会があれば、ちょっと見てみると良いかもしれません。
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